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2016 年度 実績報告書

ストレス顆粒とオートファジーの蛋白分解クロストークの分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 15H04704
研究機関新潟大学

研究代表者

藤井 雅寛  新潟大学, 医歯学系, 教授 (30183099)

研究分担者 小野寺 理  新潟大学, 脳研究所, 教授 (20303167)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードストレス顆粒 / オートファジー / USP10 / G3BP1 / G3BP2
研究実績の概要

本研究では、ストレス顆粒とオートファジーによる蛋白分解およびその破綻による病的な蛋白蓄積の分子機構を明らかにする。さらに、ストレス顆粒とオートファジーに異常を持つマウスにおける神経変性疾患の発症病理を明らかにする。
1)ストレス顆粒に局在し、活性酸素の制御に関与するUSP10の欠損マウス(USP10-KOマウス) を樹立した。すべてのマウスが300日以内に死亡した。USP10欠損マウスの血球系細胞の数をフローサイトメトリー法により定量した。USP10-KOマウスでは、すべての血球系細胞数が減少し、造血不全を発症した。このUSP10-KOマウスにおける骨髄不全は造血幹細胞数の著減によることが明らかになった。また、この造血幹細胞数の減少は、USP10欠損胎児肝臓のE17.5で観察された。USP10-KOマウスの造血幹細胞を造血幹細胞に対する増殖因子(SCF, TPO, FLT3-ligand, interleukin (IL)-3, and IL-6)の存在下で培養すると、野生型細胞と同等に増殖した。しかしながら、増殖因子の中からSCF(stem cell factor)を除去した培地で培養すると、野生型細胞よりも強く細胞死が誘導された。この細胞死は、野生型USP10では抑制されたが、脱ユビキチン化酵素活性を欠損したUSP10では抑制できなかった。以上の結果は、USP10が造血幹細胞の細胞死を特異的に抑制する脱ユビキチン化酵素であり、造血幹細胞の維持に必須の役割を果たすことを示す。
2)脳特異的USP10-KOマウスを樹立した。このマウスにより、脳における、USP10およびストレス顆粒の役割を解析する予定である。
3)骨特異的USP10-KOマウスを樹立した。このマウスにより、骨におけるUSP10およびストレス顆粒の役割を解析する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1)全身性USP10欠損マウスの機能が明らかになった。
2)G3BP1欠損マウスとG3BP2欠損マウスも作製が進展している。
3)脳特異的USP10欠損マウスを樹立し、その表現型が解析できた。
4)USP10のオートファジーにおける機能の解析が進展した。

今後の研究の推進方策

1)USP10のオートファジーにおける機能の解析を進める。
2)G3BP1欠損マウス、G3BP2欠損マウスおよびG3BP1とG3BP2のダブル欠損マウスの作製を進める。
3)脳特異的USP10欠損マウスの解析を進める。

研究成果

(5件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 学会発表

  • [雑誌論文] Sox2-dependent inhibition of p21 is associated with poor prognosis of endometrial cancer.2017

    • 著者名/発表者名
      Yamawaki K, Ishiguro T, Mori Y, Yoshihara K, Suda K, Tamura R, Yamaguchi M, Sekine M, Kashima K, Higuchi M, Fujii M, Okamoto K, Enomoto T.
    • 雑誌名

      Cancer Sci.

      巻: 108(4) ページ: 632-640

    • DOI
      10.1111/cas.13196
  • [雑誌論文] USP10 Is an Essential Deubiquitinase for Hematopoiesis and Inhibits Apoptosis of Long-Term Hematopoietic Stem Cells.2016

    • 著者名/発表者名
      Higuchi M, Kawamura H, Matsuki H, Hara T, Takahashi M, Saito S, Saito K, Jiang S, Naito M, Kiyonari H, Fujii M.
    • 雑誌名

      Stem Cell Reports

      巻: 7 ページ: 1116-1129

    • DOI
      10.1016/j.stemcr.2016.11.003
    • 査読あり / オープンアクセスとしている / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Human T-cell leukemia virus type 1 (HTLV-1) Tax1 oncoprotein but not HTLV-2 Tax2 induces the expression of OX40 ligand by interacting with p52/p100 and RelB2016

    • 著者名/発表者名
      Motai Y, Takahashi M, Takachi T, Higuchi M, Hara T, Aoyagi Y, Terai S, Tanaka Y, Fujii M.
    • 雑誌名

      Virus Genes

      巻: 52 ページ: 4-13

    • DOI
      10.1007/s11262-015-1277-7
    • 査読あり / オープンアクセスとしている / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Induction of Cell Death in Growing Human T-Cells and Cell Survival in Resting Cells in Response to the Human T-Cell Leukemia Virus Type 1 Tax2016

    • 著者名/発表者名
      Mizuguchi M, Sasaki Y, Hara T, Higuchi M, Tanaka Y, Funato N, Tanaka N, Fujii M, Nakamura M.
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 11 ページ: e0148217

    • DOI
      10.1371/journal.pone.0148217
    • 査読あり / オープンアクセスとしている
  • [学会発表] 脱ユビキチン化酵素USP10はHematopoietic stem cellの恒常性維持に必須である2016

    • 著者名/発表者名
      川村 宏樹、樋口 雅也、藤井 雅寛
    • 学会等名
      日本生体防御学会
    • 発表場所
      九州大学(福岡県福岡市)
    • 年月日
      2016-07-07 – 2016-07-09

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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