遺伝性パーキンソン病の原因遺伝子であるLRRK2のミトコンドリア代謝機能について検討した。変異型LRRK2導入細胞はミトコンドリア代謝機能が低下しミトコンドリア・カルシウム調節機能低下を示した。LRRK2はミトコンドリア膜に存在するユビキチン・リガーゼの機能調節することにより、小胞体―ミトコンドリアのカルシウム流入を制御する。変異型LRRK2は、この酵素群への調節障害により、小胞体ストレスを増強し、ミトコンドリア代謝障害とともに細胞死を誘導することも発見した。さらに小胞体膜に存在する小胞体ストレスたんぱく質であるPERKを活性化する薬剤は変異型LRRK2により生じた一連の代謝障害が軽減した。
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