研究課題
これまでに、細胞質を含む細胞のタンパク質毒性ストレスはHSF1-SSBP1を介して細胞質とミトコンドリアのシャペロンを誘導することを示してきた。今年度は、ミトコンドリアに特異的なタンパク質毒性ストレス条件下でのシャペロン群の誘導、およびその誘導のHSF1-SSBP1依存性を調べた。まず、野生型MEF細胞をロテノン、ミトコンドリアLONプロテアーゼ阻害剤CDDO、ミトコンドリアHSP90阻害剤GTTPで処理することで、細胞質HSP70とミトコンドリアシャペロン(mtHSP70、HSP60、HSP10)が誘導された。一方、HSF1欠損細胞ではHSP70およびミトコンドリアシャペロン群の誘導を全く認めなかった。HSF1だけでなく、SSBP1の関与を明らかにするために、それぞれをノックダウンして遺伝子発現を調べたところ、これら細胞質とミトコンドリアのシャペロンの誘導にはHSF1が必要であること、SSBP1は遺伝子の種類と刺激によって依存性が異なることが分った。次に、HSF1とSSBP1の活性化について調べた。HSF1はもともと核に存在するが、ミトコンドリア特異的なタンパク質毒性ストレス条件下でSSBP1が核へ蓄積することが明らかとなった。転写活性と関連するHSF1-Ser326のリン酸化が亢進することも分った。さらに、これらの遺伝子発現誘導の一部は、活性酸素種を介することも示された。一方、HSF1-SSBP1のマウスにおける生理機能を解析するために、SSBP1と相互作用しないHSF1-K188Aを発現するマウスをCRISPR/Cas9技術を用いて作製した。しかし、変異部位がスプライシング部位に近いためにHSF1の発現が抑制され、マウスの解析には至らなかった。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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