研究課題
遺伝子の発現を調節するエピゲノム(印付けられたゲノム)が、どのように形成されて、また変換されるのか、その根本的な制御については不明な点が多い。ミトコンドリアに由来する代謝物が、エピゲノムの修飾基やその修飾酵素の補酵素として使われており、クロマチンリモデリングなどの核内事象がエネルギー(ATP)依存性であることから、エピゲノムとミトコンドリアが連動する未知の仕組みがあると考えられる。本研究では、エピゲノムとミトコンドリアの共同性に着目し、新規の制御機構を明らかにすることを目的とする。具体的には、siRNAライブラリーと各種細胞株を用いて、エピゲノムとミトコンドリアに関連性をもつ約80の候補から絞り込んだ、有力な15分子の機能解析、その相互作用(複合体)の解析、ChIP-Seqによる標的遺伝子の網羅的解析を実施した。また、網膜芽細胞腫(RB)タンパク質がエピゲノムとミトコンドリアを機能的に連携すること、エピゲノム因子のHMGA2が脂肪細胞の機能制御に関わることを見出して、エピジェネティックな代謝調節について報告した。
1: 当初の計画以上に進展している
エピゲノムとミトコンドリアを機能的に連結する因子を同定して、新知見を得ている。また、網膜芽細胞腫(RB)タンパク質およびエピゲノム因子HMGA2によるエピジェネティックな代謝調節に関する最先端の研究成果が出ているため。
本研究は、当初の計画以上に進展しているため、研究計画の変更なしに推進する。
すべて 2016 2015 その他
すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 2件、 査読あり 6件、 謝辞記載あり 4件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 5件) 図書 (2件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
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