研究課題
遺伝子の発現を調節するエピゲノム(修飾されたれたゲノム)が、どのように形成されて、また変換されるのか、その根本的な制御については不明な点が多い。ミトコンドリアに由来する代謝物が、エピゲノムの修飾基やその修飾酵素の補酵素として使われており、クロマチンリモデリングなどの核内事象がエネルギー(ATP)依存性であることから、エピゲノムとミトコンドリアが連動する未知の仕組みがあると考えられる。本研究では、エピゲノムとミトコンドリアの共同性に着目し、新規の制御機構を明らかにすることを目的とした。具体的には、エピゲノムとミトコンドリアに関連性をもつ約80の候補を選出した。特異的なsiRNAライブラリーと各種細胞株(がん細胞株、線維芽細胞)を用いて、有力な15分子を絞り込み、その機能解析、相互作用(複合体)の解析、ChIP-Seqによる標的遺伝子の網羅的解析を実施した。とくに、ヒストンH4K20モノメチル化酵素SETD8/PR-Set7が細胞老化に関連して、核小体とミトコンドリアに関わる遺伝子群の発現を調節し、代謝リモデリングにおける役割を報告した。また、ヒストンH3K4脱メチル化酵素LSD1が骨格筋分化において、エピゲノムとミトコンドリアを連動させる新たな因子であることを解明した。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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