研究課題
1)臓器・細胞特異的なBLT1欠損マウスの樹立と解析:Cre-loxPシステムを用いてBLT1flox/floxマウスを樹立した。2)BLT1発現が規定する抗原提示細胞サブセット解析:BLT1発現で規定される樹状細胞とマクロファージサブセットの遺伝子発現・生理活性脂質産生の違いを解析した。また、2つのサブセットをカルシウムイオノフォアで刺激した際のエイコサノイド産生の違いについて検討した。3)BLT1と相互作用するタンパク質の同定:Gタンパク質共役型受容体であるロイコトリエンB4第一受容体BLT1の新規結合タンパク質の探索を行い、Receptor for Advanced Glycation End product (RAGE)と呼ばれる細胞膜タンパク質がBLT1と相互作用することを見いだした。RAGEはBLT1依存性のErkリン酸化を亢進させることでNF-kB依存性の過剰な炎症反応を抑制すること、また、細胞走化性を促進することを見いだした。4)上皮細胞におけるBLT2の役割の解明:BLT2が腸管上皮細胞や皮膚ケラチノサイトにおけるバリア機能を亢進させる分子メカニズム、ケラチノサイト遊走を促進する分子メカニズムをあきらかにした。具体的には、12-HHTによるBLT2刺激が、Giタンパク質、p38 MAPキナーゼの活性化を解して、接着因子であるクローディン4の発現を上昇させることで細胞間接着を強化し、これがバリア機能の亢進に寄与していることを明らかにした。また、BLT2欠損マウスでは、経費的水分蒸散量が亢進すると共に、皮膚からの抗原侵入が亢進するため、T細胞II型免疫反応が亢進することを明らかにした。(Ishii, Faseb J, 2016) 5)CRISPR/Cas9システムを用いて、LTB4産生酵素(LTA4水解酵素)を欠損したマウスを作製した。
2: おおむね順調に進展している
申請書の平成27年度に記載した通りに研究が遂行できているため。
申請書の平成28年度に記載した通りに研究を遂行する。
すべて 2016 2015 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 1件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 6件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 3件) 図書 (2件) 備考 (1件)
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