研究課題
昨年度までに、ドライバー変異のない肺癌90例について、組織型、病期、予後、喫煙・アスベストに対する曝露歴、腫瘍歴、家族歴などをまとめ、腫瘍の組織アレイを作製した。また、miRNA発現を網羅的に検索した。mRNA発現は、新鮮凍結材料を用いたアレイ解析と、FFPE材料を用いたnCounterでの解析を比較した。外来発がん因子では、喫煙・アスベスト曝露とmiRNAの発現と相関を検討し、アスベスト曝露に特有のmiRNAを抽出した。本年度は、症例をまとめたデータベースを作製し、組織マイクロアレイを用いて、アレルデータ、miRNA発現、mRNA発現検索のデータの統合的解析を試みたが、miRNAとmRNAとでクラスターが一致せず、再度検索中である。本研究計画採択後に、急速に注目されてきた、免疫チェックポイント阻害薬関連のバイオマーカーについて、PD-L1、B7-H3に注目し、本研究への付加項目として検索した。PD-L1発現は、ドライバー変異のない肺癌(多くは喫煙者の肺癌)に多いことが判明している。検索の結果、PD-L1発現は腺癌では予後不良因子であったが、小細胞癌では予後良好因子であった。B7-H3では、発現と予後との相関は、喫煙状況で異なっていた。すなわち、肺腺癌でのその発現は、重喫煙者では予後良好因子であったが、軽度・非喫煙者では予後との相関は無かった。また、B7-H3高発現は、EGFR変異無しの肺腺癌と相関していた。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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