研究課題
本年度では以下の結果を得た。1.ウサギゲノムの解読国際共同研究:遺伝子改変ウサギの研究にはウサギゲノム及びRNA配列の解読が不可欠である。欧州のウサギコンソーシアムと中国上海工業技術研究院、アメリカミシガン大学のグループと連携して、実験用JWウサギとWHHL高脂血症ウサギのゲノム全長解析と肝臓および動脈硬化病変のRNA配列の解析を完成した。2.アポ蛋白E欠損ウサギの研究:アポEノックアウト(KO)ウサギ(ホモとヘテロ)の血漿脂質(総コレステロール、中性脂肪、HDL-C)やリポ蛋白分画、アポ蛋白の変化を正常野生ウサギと比較した。KOウサギ(特にホモKO)の血漿総コレステロール値と中性脂肪値は正常ウサギより著明に増加していることが認められた。超遠心法並びに高速液体クロマトグラフィー法により、リポ蛋白プロフィルを検討したところ、アポE・KOウサギは著しくレムナントリポ蛋白の量が上昇しており、またレムナントリポ蛋白にはアポB48がアポB100を上回ってる。従って、アポEの欠損がレムナントの蓄積に関与していることが判明した。高コレステロール食を与えて12週間の大動脈硬化病変面積が、KOウサギ群が野生型ウサギより大きいということも認められた。これらの結果を平成27年度の日本動脈硬化学会および2016年のAtherosclerosis誌にて発表している。現在はアポE・KOウサギの繁殖を行い、詳細な分子メカニズムの解析を予定している。3.アポCIII・KOウサギのFounderが樹立されて、現在では人工授精法を駆使しながら実験に必要なヘテロとホモウサギの繁殖を行っている。4.ヒトアポCIIIトランスジェニックウサギの発現が低いため、継続的にマイクロインジェクションを行い、アポCIII発現率の高いFounderの作製に努めている。
3: やや遅れている
ウサギの繁殖に関しては、計画通りに進まなかった。
遺伝子改変ウサギの作製および繁殖に予想よりも時間を要したので、今後、人工授精法を利用し、より迅速に実験に必要な数のウサギを繁殖させたい。
すべて 2016 2015 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 4件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
Scientific Reports
巻: in press ページ: 00
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