研究課題
高病原性鳥インフルエンザウイルスに感染時の重症化因子を探索するために、今年度は免疫抑制剤を投与した状況で重症化したサルと軽症で回復したサルの遺伝子の比較を行った。その結果、化学走性に関与するサイトカインの1種と免疫グロブリン受容体FcRの1種に重症度と相関する遺伝子多型が見つかった。続いてあらかじめカニクイザルの血液を採取し、これらの遺伝子の塩基配列を決定し、重症化と相関する多型をもつサルともたないサルを選別した。免疫抑制剤を投与後にH5N1亜型高病原性鳥インフルエンザウイルスを感染させたところ、いずれの遺伝子でも重症化遺伝子多型をもつサル3頭中2頭が感染後重症化した。
2: おおむね順調に進展している
インフルエンザウイルス感染時に重症化するサルと関連性の高いゲノム遺伝子の多型を発見できた。予定通りに進んでいる。
平成27年度に発見した遺伝子多型のちがいによるタンパク質の機能の変化の解析を行う。免疫抑制剤の使用がない状態で高病原性鳥インフルエンザウイルスを感染させた場合に、重症化と関連する遺伝子多型の解析を行う。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 謝辞記載あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)
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