研究課題/領域番号 |
15H04723
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
吉田 栄人 金沢大学, 薬学系, 教授 (10296121)
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研究分担者 |
伊従 光洋 金沢大学, 薬学系, 准教授 (20608351)
福本 晋也 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 准教授 (50376422)
小川 良平 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 准教授 (60334736)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | マラリア / ワクチン |
研究実績の概要 |
熱帯熱マラリア感染防御ー伝播阻止両機能を搭載したコンポーネントーDNAハイブリッド型BDESワクチンおよび同じ遺伝子カセットをもつHuman adenovirus type5 (AdHu5)を構築し、in vitro機能解析およびin vivoワクチン効果解析を行い、下記の成果を得た。(1)Pfs25-PfCSP融合型BDESワクチンを作製し、ウイルス粒子上にこの融合タンパクが発現・提示されていることをウエスタンブロッティングで確認した。(2)BDESの特長である哺乳類細胞へのtransduction効率を間接蛍光抗体法により確認した。膜非透過条件でも強いシグナルが細胞膜に検出されたことから、効率よく膜表面にPfs25-PfCSP融合型タンパクが提示されていることが明らかとなった。(3)Pfs25-PfCSP融合型AdHu5ワクチンを作製し、この融合タンパクが発現・提示されていることをウエスタンブロッティングおよびFIAで確認した。(4)AdHu5-prime/BDES-boost heterologous 免疫法を用いて、マウスへの接種実験を行い、細胞性免疫についてはELISPOT法でPfCSPペプチド特異的なIFN-g産生細胞の存在が確認され、液性免疫についてはELISA法により抗PfCSP, 抗Pfs25抗体産生が確認された。(5)感染防御および伝播阻止効率をマウスモデルで評価するために、Pfs25-PfCSP double chimeric transgenic parasitesを作製し、PFS25, PFCSPの発現を確認した。(5)免疫マウスにPfs25-PfCSP double chimeric transgenic parasitesをチャレンジ感染させ、その感染防御効果を検証中である(現地点で継続中)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
熱帯熱マラリア感染防御ー伝播阻止両機能を搭載したコンポーネントーDNAハイブリッド型BDESワクチンを構築し、発現、免疫応答を確認後、すでに動物実験によりワクチン効果の検証に着手している。
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今後の研究の推進方策 |
H29年度は、本ワクチンの感染防御効果のデータ解析を行う。同時に本ワクチンのもう一つの重要な機能である伝播阻止機能を検証するためのハマダラカを用いたマラリアオオシスト形成実験を行い、最終的な解析データを学術論文および国際学会で発表する。
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