トキソプラズマは宿主細胞に侵入した後、宿主のミトコンドリアを原虫が増殖している寄生胞近辺に引き寄せるという現象が知られている。この現象を引きおこす候補タンパク質遺伝子を7つリストアップし、強制発現株によるオルガネラのリクルート能力の評価を行った。その結果、4つの遺伝子をリクルート現象関連遺伝子として同定できた。そこで引き続きこれらの遺伝子群のノックアウト株の作成を試みたところ、4遺伝子のうち3遺伝子は原虫の生存に必須でありノックアウトできなかった。残りの遺伝子についてはノックアウト株が得られ、このノックアウト株は宿主ミトコンドリアのリクルート能力が有意に減少していた。
|