研究課題/領域番号 |
15H04735
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 哲朗 浜松医科大学, 医学部, 教授 (00250184)
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研究分担者 |
鈴木 亮介 国立感染症研究所, ウイルス第二部, 主任研究官 (50342902)
伊藤 昌彦 浜松医科大学, 医学部, 助教 (50385423)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | C型肝炎ウイルス / パッケージング / 粒子形成 |
研究実績の概要 |
1)HCV遺伝子型によるウイルスゲノムパッケージング能の違い 樹立したHCVパッケージングシステムでは、HCV遺伝子型2aのJFH-1株を基盤としている。HCVは株間で遺伝子配列が多様であることが知られているが、2a以外の遺伝子型由来の3’UTR配列でも同様にパッケージングシグナルとして働くかを調べた。遺伝子型1aの感染性クローンであるH77株の3’UTRを非複製型のHCVtcpシステムに導入して、HCVtcp producer細胞で発現させたところ、JFH-1 3’UTRの非複製系の場合とほぼ同等のパッケージング効率を示した。一次配列は必ずしも相同でなくともstem-loop二次構造が保存されていればパッケージングシグナルとして機能しうる可能性が示された。
2)HCVサブゲノムRNA複製系と非複製系でのパッケージング効率の比較 複製型サブゲノムでは非複製型に比べ粒子形成能は有意に高いがこの実験ではproducer細胞内のサブゲノムRNAレベルは複製型の方が顕著に高いため、細胞内のサブゲノムRNA量の違いを反映している可能性を否定できない。「ゲノム複製がパッケージング効率に影響するか」を調べるため、HCV複製を許容しない293T細胞をproducer細胞とし、Huh7細胞での複製型の場合とパッケージング効率を比較した。両producer細胞でサブゲノムレポーターRNAまたCore-NS2タンパク質発現レベルを揃えて解析したところ、粒子形成能、パッケージング効率は複製型producer細胞の方が明らかに高かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
HCV遺伝子型によってウイルスゲノムパッケージング能に大きな違いがないこと、また、サブゲノムレポーターが非複製型の場合、複製型に比べ顕著にパッケージング効率が低いことを示すことができた。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画通り、ウイルスゲノムパッケージングのウイルス種特異性の解析を実施する。それにより、HCVゲノムパッケージング機構の全容解明を目指す。
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