研究課題
ゲノムパッケージングのウイルス種特異性HCVゲノムRNAパッケージングのウイルス種特異性を明らかにするため、フラビウイルス科の日本脳炎ウイルス(JEV)の粒子形成タンパク質(Core-prM-E発現)によってHCV RNAがパッケージングされるか、逆に、HCV粒子形成タンパク質(Core-E1-E2-p7-NS2発現)によってJEV RNAがパッケージングされるかをそれぞれトランスパッケージングシステムで解析した。その結果、JEV Core-prM-E発現によってJEVレプリコン、および同じフラビウイルス属のデングウイルスレプリコンはパッケージングされるもののヘパシウイルス属のHCVレプリコンのパッケージングは認められなかった。他方、HCV Core-E1-E2-p7-NS2の発現によってJEVまたデングウイルスのレプリコンはパッケージングされなかった。フラビウイルス科ウイルスのゲノムパッケージングはウイルス種の特異性を有しており、同じフラビウイルス科であっても粒子形成タンパク質とウイルスゲノムのウイルス属が異なる組み合わせではヌクレオカプシド形成は容易でない可能性が示唆された。HCVとJEVのコアタンパク質Cはアミノ酸配列の相同性は10%以下であるもののどちらも塩基性アミノ酸リッチ(30%以上)である。本研究グループのこれまでの解析から、HCV CoreのN末端側に存在する塩基性アミノ酸クラスターがHCV RNAとの結合、粒子産生に重要であること、クラスター3か所のうち2番目、3番目(CL2、CL3)はCore-RNA結合後の粒子形成過程にも関与する可能性が示されている。HCVゲノムパッケージングの種特異性を規定するカプシド側要因を明らかにするためHCV CoreのCL2~CL3領域をJEV Coreに挿入またはJEV Core領域と置換したキメラコアタンパク質を作製しJEV粒子がHCVゲノムのパッケージングを可能にするか解析したがいずれのキメラコアタンパク質においてもHCVゲノムはパッケージングされなかった。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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