研究課題/領域番号 |
15H04748
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
鈴鴨 よしみ 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (60362472)
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研究分担者 |
下妻 晃二郎 立命館大学, 生命科学部, 教授 (00248254)
内藤 真理子 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (10378010)
宮崎 貴久子 京都大学, 医学研究科, 非常勤講師 (70464229)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 社会医学 / 医療行動学 / 患者報告アウトカム / 生活の質 / 評価手法 / 最小重要差 / レスポンスシフト |
研究実績の概要 |
本研究は、患者報告アウトカム(Patient-reported outcomes:PRO)、特に生活の質(Quality of life:QOL)(以下、QOL/PROと略す)の評価・解析の信頼性と解釈可能性を高めるために、最小重要差(Minimally important difference: MID)とレスポンスシフトを取り上げ、この2点に関して研究と解釈のためのガイドラインを策定することを目的としている。H29年度の実績は以下の通りである。 1. 海外重要文献の日本語版の提供:ISOQOL(国際QOL研究学会)のPRO実践ガイドラインの逆翻訳を終えISOQOL担当者と翻訳のチェックのやり取りを行った。国際学会では翻訳担当者会議に参加した。 2. MIDシステマティックレビュー:臨床試験におけるMIDについて、新たな検索用語での論文抽出を実施した。また、(1)定義、(2)方法論、(3)活用分野については、第1回論文抽出時点以降の論文を再抽出し、新たな情報を加えた。 3. 縦断的実証調査:がん治療データの2次的利用にてレスポンスシフト解析を行い、観察されたスコア変化を抽出されたレスポンスシフトにて調整したスコアを検出する方法を確認した。 4. 情報公開:Web教科書(仮称QOL/PRO Wiki)システムを開発し、担当者間で吟味の上公開できるようにした。第1次原稿が完成した。 上記の結果について、2018年3月2日に中間報告会を実施した(於:日本橋ライフサイエンスビル、QOL/PRO研究会と共催にて実施)。43名が参加し、MIDの測定方法やレスポンスシフトの解釈などについて活発に議論がなされた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
システマティックレビューは論文の公開に至っていないが、浮き彫りになった問題点を考慮した上で文献の再抽出が進んでいる。実証研究については、予定通り、既存研究の2次解析を進め、研究会や学会での報告を行うことができた。 ガイドラインの作成とWeb教科書の作成は最終年度を待たずに開始され、第1次原稿が作成された。 これらを鑑みると、全体としてはおおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
予定通りに進行する。最終年度となるので、未完のプロジェクトを完了させるとともに、情報を統合・加工してガイドラインを作成し、公開する。 また、本研究を推進する上で残された課題を整理し、次の研究課題を明確にする。
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