研究課題
研究参加に同意の得られたパロキセチン服用歴のあるうつ病患者 86 名を対象として、PAX の血中濃度を高速液体クロマトグラフにより測定した。PAX の血中濃度情報から各患者の PK パラメータを算出し、PAX の投与開始時からの総曝露量の予測値を算出した。その後、ロジスティック回帰モデルを基にした PAX の総曝露量とうつ病寛解率に関する母集団 PK-PD 解析を行った。共変量として、患者の年齢、性別、体重、パーソナリティー、うつ病の重症度、PAX の治療反応性との関係が示唆されている遺伝子の多型を検討した。パーソナリティーの診断はTCIを、うつ病の重症度評価はMADRSを用いた。PAX 投与後にTotal MADRS score が 10 点未満となった場合をうつ病の寛解と判断した。PAX の総曝露量とうつ病寛解率に関するPK-PD モデルを構築した結果、PAX 総曝露量の上昇に伴い、うつ病寛解率が上昇することが示された。以下にうつ病寛解率に関する最終モデルを示す。Logit = Ln{p/(1-p)} = -1.47×Total MADRS score0.470 + {6.33 + TCI score (自己志向性) / 21×2.06}×(PAX 総曝露量 / 1000)1.86 / {9.311.86 + (PAX 総曝露量 / 1000)1.86}最終モデルの Logit 値を用いて、うつ病寛解の有無を予測する ROC 曲線を作成し(ROC 曲線下面積:0.987、感度:94.4%、特異度:95.7%、P < 0.01)、得られた Logit 値のカットオフ値から、うつ病の寛解が期待できるPAX の目標総曝露量が患者毎に推定された。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 3件)
Frontiers in Psychiatry
巻: 10 ページ: 195
10.3389/fpsyt.2019.00195
Journal of Affective Disorders
巻: 243 ページ: 70~74
10.1016/j.jad.2018.09.014
Journal of Diabetes Investigation
巻: 10 ページ: 484~490
10.1111/jdi.12927
Acta Psychiatrica Scandinavica
巻: 139 ページ: 108~116
10.1111/acps.12960
Neuropsychiatric Disease and Treatment
巻: Volume 14 ページ: 3299~3306
10.2147/NDT.S187060