研究課題
検体検査の多くは数値で客観的に表されるため、測定値の違いは診療上大きな誤判断を起こす危険性がある。従って、測定法が変わっても同様の検査結果を得ることが必要である。しかしながら、標準測定法がなく各社が個別の測定体系で試薬を市販している免疫学的検査項目は、機器試薬によって検査値がまちまちである。そこで、検査データの標準化とハーモナイゼーションを目指した検討を行った。PIVKA-Ⅱは、現在少なくとも10種類の試薬が販売されている。化学発光酵素免疫測定法が2種、(化学発光)酵素免疫測定法が7種、その他が1種である。このうち、7種の試薬では一次抗体にMU-3抗体が用いられ、二次抗体は20B8抗体が6種の試薬で使用されている。抗体の異なる3社の機器試薬で同じ患者試料216検体を測定したところ、μTAS(和光純薬)とHISCL(シスメックス)の相関係数は0.990、μTAS(和光純薬)とArchitect(アボット)は0.988、HISCLとArchitectでは0.989と概ね良好な相関が得られたが、乖離例も見出された。乖離の原因を調べることも大切である。プロカルシトニンは簡易測定試薬(イムノクロマトグラフィ法)を含めると多種の試薬が開発・販売されているため、高感度測定法として電気化学発光免疫測定法(ロシュ)と化学発光酵素免疫測定法(富士レビオ)、イムノクロマトグラフィ法で機械読取りの定量試薬(積水メディカル)を検討した。その結果、イムノクロマトグラフィ法と高感度測定法との相関係数は0.996, 0.998と良好な相関を示した。また、全血と血漿と異なった測定試料でも良好な相関を示した。高感度測定法2種は同じ抗体を用いた測定系で、イムノクロマトグラフィ法は別の抗体であるにもかかわらず良好な相関が得られたことは、ハーモナイゼーションに近い項目と考えられた。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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