研究課題
実時間腫瘍追跡粒子線治療装置において、2軸のX線透視装置からの複数金マーカー位置データに基づく軌道予測能力を高め、RTPT の精度向上・治療時間を短縮する研究を進めた。また、ヘリウム・陽子ハイブリッド治療による腫瘍効果を最大にする混合比・線量密度最適化研究 として、LET分布から、臓器・腫瘍のα/β比に基づくRBEを考慮した線量分布の研究を行った。 RBEについてはハイブリッド粒子線照射における放射線生物学研究として、陽子線と炭素線との比較データをもとに、ヘリウム線のLETからの予測検討を行った。これとともに正常組織有害反応率(NTCP)を利用し、イン・シリコ・サロゲートマーカー研究として、ハイブリッド装置の適応を、線量分布から決定する方法論を検討した。さらに分子追跡放射線治療から実時間腫瘍追跡密度強度変調粒子線治療(DMPT)への発展研究として、ヘリウム・陽子線ハイブリッド治療装置の飛程を、超音波を用いて非侵襲的に計測する方法を検討しながら、陽子線治療ビームを用いた、DMPTの研究を進めた。上記の研究は、新小型超電動加速器によりヘリウムと陽子を同一治療装置で加速可能とし、陽子線用CTを搭載し、ヘリウム線治療の治療計画制度を飛躍的に向上できる次世代粒子線治療装置「陽子線CT搭載型ヘリウム・陽子線混合治療装置」への開発研究へと繋がった。また上記の研究成果によって、局所進行肺がん等への新たなヘリウム線治療研究を高精度局所としてだけではなく、全身的な免疫賦活が期待できる量子レベルのがん治療法と捉えなおし、免疫チェックポイント研究と連携し、患者の生存率の延長に資する新たな「微視的適合照射」時代を築くための飛躍的な前進となった。日立研究所との共同研究が確立し、今後の成果によっては2023年度からの実機制作を目指す事となった。ハイブリッド型ヘリウム・陽子線治療装置は国際特許を取得した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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