研究課題
本研究では、医療現場で使用可能な高感度全方向γ線コンプトンカメラ技術を独自に提案・開発し、医療現場への応用の可能性を実証することを研究目的とした。最終年度である平成30年度(4年目)においては、これまでに提案・開発に成功した全方向γ線コンプトンカメラ技術を実際の医療現場へ応用するための具体的検討を複数展開した。詳細を以下に示す。(1)尿中放射能の可視化・定量化測定:PET(Positron Emission Tomography)検査前に患者から排泄された尿中放射能を遠隔より高精度で安全かつ容易に可視化・定量化が可能であることを実証し、国際学術誌Biomedical Physics and Engineering Expressに発表した。本手法は、将来、患者ごとのPET検査前の測定値をPET診断画像に組み込むことで、がんの治療評価判定精度の向上や新しい医療評価指標の創生などが期待される。(2)α線放出塩化ラジウムRa-223薬剤による汚染箇所の可視化:去勢抵抗性前立腺がんの骨転移に対するRI内用療法において国内で初めて認可されたα線放出放射性医薬品(塩化ラジウム)による放射能汚染を想定した可視化測定試験を北里大学病院核医学施設にて遂行し、0.1MBq程度の極低線量汚染箇所を室内において数分程度で可視化可能であることを実証し、アメリカの応用物理学会(2019 IEEE NSS/MIC(Sydney, Australia))で学術発表を行った(投稿論文準備中)。(3)回転型コンプトンカメラの提案:本研究で開発したコンプトンカメラシステムを自動回転ステージに固定し回転させながらの測定を可能とすることで、全方向γ線画像の画質を大幅かつ容易に向上させることが可能であることを実証した(特許出願中(特願2018-177648))。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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RADIOISOTOPES
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http://www.kitasato-u.ac.jp/ahs/rt/muraishi/index.html