研究課題/領域番号 |
15H04774
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
祖父江 友孝 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50270674)
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研究分担者 |
車谷 典男 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (10124877)
中谷 友樹 立命館大学, 文学部, 教授 (20298722)
島 正之 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (40226197)
熊谷 信二 産業医科大学, 産業保健学部, 教授 (50250329)
喜多村 祐里 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (90294074)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | コホート内症例対照研究 / アスベスト(石綿) / 疫学 / 中皮腫 / 環境経由 / GIS |
研究実績の概要 |
尼崎市の大規模アスベスト(石綿)取扱い工場周辺における一般環境由来のアスベスト(石綿)曝露と中皮腫死亡の関連について、コホート内症例対照研究デザインにより明らかにすることを目的としている。 1975(S50)年以前からの市内居住者をコホート集団に設定し、2002年から2012年までの中皮腫または肺がんでの死亡例を同定した。既に環境省、兵庫県および尼崎市が実施主体となって行われた遺族調査データの一部提供を受けて、1:3のマッチング(性、年齢)による対照者のランダム化サンプリングを行った。さらに尼崎市の協力により住民基本台帳を用いた対照者確定と接触同意取得の後に、3名(大阪大学にて雇用)のインタビュアーによる聞き取り調査を遂行した。聞き取り調査の項目については遺族調査の質問票を参考とし、回答票の入力情報を電子データ化する場合の補間方法や読み替えルールについても十分な吟味と検討を行なった。検討の場は、年間10回程度の割合で開催した運営委員会(於尼崎市保健所)とした。 本研究は、症例対照研究であると同時に住民ベースのコホート研究でもある。このため既に得られた中皮腫及び肺がん死亡例以外の死亡情報を同定する目的で人口動態統計の利用申請を行い、コホート集団における死亡並びに主要疾病死因の照合を行なった。さらに居住歴(住所)情報から地理情報への変換処理(ジオコーディング)を行うことにより、中皮腫、肺がん及びその他の死亡リスクと居住歴や居住期間との関連を調べた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は自治体(尼崎市)による協力を必須としており、同時に関連諸機関と、さらにアスベストによる健康被害を訴える住民団体への配慮も行わなければならないと考えられる。従って、進捗状況が当初予定に比べてやや前後する場合が生じることはやむを得ないと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策は、聞き取り調査の準備段階における遅れを解消すべく調査スケジュールの調整やデータ収集の効率化を図る。また引き続き、尼崎市保健所との連携体制を強化しながら、目標とする450件の聞き取り調査の遂行と、収集データの取り扱いや読み替えルールの検討を進める。
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