研究課題
本年度は、40~50歳代 1003名分のメタボローム解析を行った。CE/MS法による測定は、本研究により計2503名となったことから、これまでに測定を完了していたものとあわせ8413名分のメタボロームデータベースが構築された。94代謝物について、10検体ごとに繰り返し測定した精度管理(QC)サンプルの結果を用い、データの信頼性を評価するための統計学的解析を行った結果、QCサンプルの変動係数は、64物質で20%未満、バッチ間変動係数81物質で20%未満であった。推定した級内相関係数の結果と併せ大規模コホート研究の検体を測定している他の3つのラボの結果と比肩しうるものであった。以上の成果をPLoSOne誌に投稿し、本年1月に採択・掲載された。そのsupplemental table 3(Table S3)には、性別・年齢階級別に整理した94代謝物質の平均値及び標準偏差値を記載して公開したことから、本研究の目標であった地域在住一般集団のメタボロームワイド代謝プロファイルのデータベース作成と公開について一定の成果が得られた。また、生活習慣病罹患パターンが異なる地域のメタボロームプロファイルの比較についても、順調に検体収集を進め、2コホート、各300検体が集まった。メタボロームワイド関連解析による動脈硬化、インスリン抵抗性バイオマーカーの検討については、血中分岐鎖アミノ酸(BCAA)と脂質代謝物及び脂質代謝異常症との関連性を解析、BCAAが脂質代謝にインスリン抵抗性とは独立して関連し、脂質代謝異常症の潜在的なバイオマーカ―となりうることが示唆された。糖尿病発症の前段階である空腹時血糖正常高値の代謝プロファイリングについても解析を行い、24物質で濃度変化が認められたことから、これらが糖尿病発症予測のバイオマーカーとなりうる可能性が示唆された。これらの研究成果は、現在投稿準備中である。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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PLoS One
巻: 13 ページ: e0191230
10.1371/journal.pone.0191230
実験医学
巻: 35 ページ: 2888-2892