研究課題
近年、増加傾向を示す食物アレルギーは、アレルゲンである食物の感作成分の多様性の大きさから、早期診断にはまったく新しいバイオマーカーの案出が求められる。小児と成人の食物アレルギーの分子疫学を今年度はコホート研究として実施した。平成27年度からのコホートで遺伝歴が強いが発症していない非有病児30人を平成29年度の段階で、食物アレルギー発症者5人、アトピー性皮膚炎発症者7人、気管支喘息発症者4人、いずれかのアレルギー発症者12人と、いずれも発症しない児の18人に分類した採血により得られたリンパ球を、表面マーカーによって分離されたCD4+T cells、CD8+T-cells、CD56+NK cells、CD19+Bcell、CD14+monocytes、Regulatory T cell (Treg)、トランスクリプトーム解析(mRNASeq, Small RNASeq)、エピゲノム解析(ChIPSeq, DNAメチル化)を実施した。また対象者から採取する糞便より、全細菌DNAを抽出し、16S rRNA遺伝子クローンライブラリー法を用いて腸内細菌叢の菌種解析を行い、比較した。その結果、食物アレルギー発症者5人およびいずれかのアレルギー発症者の10人においてはリンパ球のDNAメチル化の関係が認められ、菌種のrichnessとdiversityの有意な減少が認められた。またアトピー性皮膚炎、気管支喘息の発症者と非発症者の比較では、有意な差は認められなかった。この結果、菌種のrichnessとdiversityの有意な減少がリンパ球のDNAメチル化をもたらし、食物アレルギー発症となるという病態が示唆された。食物アレルギーの新しい早期診断法としても、菌種のrichnessとdiversityが有用なマーカーであることが窺い知れた。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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