研究課題/領域番号 |
15H04788
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
那須 民江 中部大学, 生命健康科学部, 特任教授 (10020794)
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研究分担者 |
石井 晃 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (30252175)
内藤 久雄 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (90547556)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | NASH / コレステロール / 高血圧 / 降圧剤 / 線維症 / CD68 / SHR / TNFα |
研究実績の概要 |
高血圧易自然発症ラット(SHR)に高脂肪-高コレステロール食(HFC)と降圧剤(ヒドララジン)を併用し、降圧剤による肝炎・線維症進展抑制効果を観察した。 降圧剤はSHRラットの血圧を30~50mmhg下げた。降圧剤介入はHFC食による肝腫大、肝臓逸脱酵素(ALT、AST、GGT)の上昇、肝臓や血清の脂質(トリグリセライドとコレステロール)の増加を抑制した。病理的にはバルーニング細胞を減少させ、細胞線維化面積も減少させた。CD68抗体を用いた免疫染色を行ったところ、HFG食群の肝臓にはCD68陽性細胞が線維の周囲に集積していたが、降圧剤は明らかに陽性細胞を減少させた。HFC食群の血清TNFαは著しく上昇していたが、降圧剤はその上昇を著しく減少させた。一方、HFC食は血清TGFβも上昇させたが、降圧剤はその上昇を抑制することはなかった。HFC食は線維合成に関わるCol1A1や血小板由来成長因子(PDGFβR)、α平滑筋アクチン(αSMA)の肝臓での発現を上昇させたが、降圧剤はこれらの発現上昇を抑制した。HFC食は細胞外マトリックスである血清のメタロプロテアーゼインヒビター(TIMP1)やマトリックスメタロプロテアーゼ(MMPs)の遺伝子発現を上昇させた。降圧剤はTIMP-1の発現上昇を抑制したが、MMPsに影響を与えることはなかった。このように、降圧剤のヒドララジンはHFC誘導性の肝炎・線維化を抑制(TBFα、CD68、Col1A1、PDGFβR、TIMP-1の発現上昇を抑制)することが明らかとなった。NASH予防には脂質制限も重要であるが、血圧コントロールも忘れてはならないことを示唆するデータである。
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現在までの達成度 (段落) |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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