研究課題/領域番号 |
15H04789
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
玉置 淳子 大阪医科大学, 医学部, 教授 (90326356)
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研究分担者 |
伊木 雅之 近畿大学, 医学部, 教授 (50184388)
梶田 悦子 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (50135373)
由良 晶子 近畿大学, 医学部, 講師 (80142595)
佐藤 裕保 仁愛大学, 人間生活学部, 教授 (10337115)
千葉 康敬 近畿大学, 医学部附属病院, 准教授 (80362474)
臼田 寛 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (80298752)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 骨密度 / 骨折 / 上腕-足首脈波伝播速度 / 動脈硬化 |
研究実績の概要 |
平成28年度は、2地域でJPOS研究の20年次追跡調査を実施した。 また、低骨量が上腕-足首脈波伝播速度(baPWV) を評価指標とした動脈硬化進展に影響を及ぼすかどうかを検討した。 対象は10年次追跡調査時50歳以上でbaPWVを測定した614名中、「硬め(Zスコア>2)」判定120名を除いた494名中、15年又は20年調査で追跡した382名とした。 対象者の年齢63.2±8.4歳、BMI 23.8±3.9kg/m2、高血圧者は37.4%、脂質代謝異常症22.5%、糖尿病3.1%。10年追跡時のbaPWV判定の分布は「しなやか(Zスコア<-1)」4.7%、「標準(-1≦Zスコア≦1)」70.7%、「やや硬め(1<Zスコア≦2)」24.6%であった。「硬め」発生は64名にみとめ、大腿骨近位部骨密度Tスコア1標準偏差(SD)減少毎の「硬め」発生に関するオッズ比はで1.09(95%CI, 0.83-1.43, p=0.539)であった。10年追跡時の高血圧者を除いた239名中、「硬め」発生者は36名で、大腿骨近位部骨密度のTスコア1SD減少毎の「硬め」発生に関するオッズ比はで1.61(95%CI, 1.10-2.40, p=0.015)。10年追跡時の年齢、収縮期血圧(SBP)を調整に加えた骨密度のTスコア1SD減少毎の「硬め」に関するオッズ比は1.97(95%CI, 1.24-3.14, p=0.004)であった。年齢、SBPに加え、BMI、脂質代謝異常症、糖尿病を調整に加えた骨密度のTスコア1SD毎のオッズ比は1.69(95%CI, 1.02-2.80, p=0.041)であった。 以上より、高血圧に該当しない地域在住女性では、骨密度低値は、年齢、血圧値と独立して動脈硬化指標である上腕-足首脈波伝播速度を速める可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では、対象地域の一つである芽室町についても追跡調査を実施する予定であったが、平成28年8月台風10号の影響で複数の河川の氾濫と浸水被害を被むり、調査を実施することは困難となり、翌年度の調査実施とした。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度に芽室町での20年次追跡調査を実施しデータベース構築を行う。芽室町、現地スタッフにその旨周知済みで、当該地域の対象者にも、追跡調査の延期については、郵送及び現地スタッフからの電話にて説明済みである。
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