研究課題
平成29年度に対象1地域に追跡調査を実施し、20年次追跡調査を受診した者は5地域併せて1387名(追跡率68%)となった。構築したデータセットを用いて骨粗鬆症性骨折が動脈硬化性疾患の予測要因である血管石灰化発生を予測できるかどうかについて検討を行った。JPOS研究の10年次追跡調査時50歳以上で頸部エコーを実施した3対象市町在住女性715人中、2006年時の大腿骨近位部骨密度値を有し20年次追跡調査を受診したのは462名であった。解析対象は462名中2006年時に血管石灰化を認めた48名を除く414名とした。414名中20年次調査時に血管石灰化発生を認めたのは45名であった。追跡期間中の症候的椎体骨折・椎体変形発生の有無別の2群で血管石灰化発生割合をみると、症候的椎体骨折または椎体変形を認めた群(47名)における血管石灰化発生割合(27.7%)は、認めなかった群(367名)の血管石灰化割合(8.7%)に比べ、有意に高かった(p<0.05)。そこで血管石灰化に関して、説明変数として追跡10年時の年齢、body mass index、頸動脈球部最大内中膜壁厚、高血圧、糖尿病、脂質異常症の有無、腰椎骨密度、10年時の症候的椎体骨折または椎体変形の有無、追跡期間中の症候的椎体骨折または椎体変形発生の有無をモデルに投入しロジスティック回帰分析を行った結果、追跡期間中に症候的椎体骨折または椎体変形発生があると血管石灰化発生リスクが3.46倍高くなる可能性が示された(p<0.05)。以上より、骨粗鬆症性椎体骨折を発生した女性では血管の石灰化をきたすリスクが高まる可能性が示唆された。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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http://www.med.kindai.ac.jp/pubheal/jpos/Results.html