研究課題
1. 原爆被爆者の乳がん、肝臓がん、結腸がん症例と健常者との各がんリスクに関係するSNPの探索を行った結果、解析可能であった160,000 SNPの中でP値が10-4未満の候補SNPはそれぞれ乳がん4 SNP、肝臓がん34 SNP、結腸がん2 SNPであったが、P値10-6未満のSNPは見いだせなかった。2. 免疫学コホート4,690名の対象者中の肝臓がんと甲状腺がん症例群(各154症例と113症例)について、免疫、炎症、DNA修復に関連する約300種類のSNPの遺伝子型と肝臓がん、または甲状腺がんリスクとの関係を調べた結果、ERCC4のある特定の遺伝子型で肝臓がんリスクが放射線被ばくに比例して有意に増加(RR=1.67/Gy, 95%CI:1.29-2.16)、また、TFNAのある特定の遺伝子型で甲状腺がんリスクが放射線被ばくに比例して有意に増加していた(RR=2.12/Gy, 95%CI:1.61-2.79)。3. 成人健康対象者2,789名の細胞内活性酸素を測定した結果、T細胞内O2.-レベル、特にメモリーCD8+ T細胞内のO2.-レベルが年齢と被ばく線量とともに増加し、そのO2.-レベルと年齢との関連が被ばく線量とともに強くなっていた。4. IL6R遺伝子型による健常者のT細胞膜型IL-6R (mIL-6R)レベルを調べた結果、IL6R-A/A群に比べてIL6R-A/GまたはIL6R-G/G群のCD4+ヘルパーT細胞のmIL-6Rレベルは高値を示した(P <0.05)。さらに、がんに罹患していない687名の健常者の細胞内O2.-レベルと免疫、炎症、DNA修復に関連する45種類の遺伝子の264 SNPとの関係を調べた結果、IL6R遺伝子型によって細胞内O2.-レベルが有意に異なるという結果を得た。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 4件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件)
Radiat Res
巻: 189 ページ: 84-94
10.1667/RR4854
Hiroshima Igaku (J Hiroshima Med Assoc)
巻: 71 ページ: 278-281
Exp Gerontol
巻: 96 ページ: 29-37
10.1016/j.exger.2017.05.015
J Immunol
巻: 199 ページ: 2777-2793
10.4049/jimmunol.1601711