研究課題/領域番号 |
15H04793
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
加藤 源太 京都大学, 医学研究科, 准教授 (20571277)
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研究分担者 |
黒田 知宏 京都大学, 医学研究科, 教授 (10304156)
後藤 励 慶應義塾大学, 経営管理研究科(日吉), 准教授 (10411836)
河添 悦昌 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (10621477)
佐藤 大介 国立保健医療科学院, 医療・福祉サービス研究部, 主任研究員 (10646996)
満武 巨裕 一般財団法人医療経済 研究・社会保険福祉協会(医療経済研究機構(研究部)), 医療経済研究機構, 主席研究員 (20501802)
大江 和彦 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (40221121)
田村 寛 京都大学, 医学研究科, 准教授 (40418760)
岡本 和也 京都大学, 医学研究科, 講師 (60565018)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 保健医療ビッグデータ / レセプト情報分析 / レセプト情報・特定健診等情報データベース |
研究実績の概要 |
当初の研究実施計画において、平成28年度計画はコード分類に対する「妥当性の検証」、ならびに研究用の「分析ツールの開発」を計画に掲げていた。「妥当性の検証」については、一ヶ月分のデータが特定の割合で抽出された、探索的な利用が認められているNDBサンプリングデータセットを厚生労働省から入手した。このデータを元に、特定の疾患についてレセプトに記されている傷病名を用いて適切に実患者の抽出が可能かどうかを評価するバリデーションを行い、コード分類の妥当性の検証を行った。NDBデータは外部データとの突合が出来ず、入手したNDBデータ内でのバリデーションが限界であるため、京大病院におけるレセプトデータに対しても、同じく京都大学病院内の電子カルテデータやがん登録データ等の外部データを突合させたバリデーションを用い、「妥当性の検証」について更に進めていく。「分析ツールの開発」については、個々の研究者においてレセプトに関する知識や研究への習熟の程度の差があるため、本研究班のレセプトデータ利用者からの意見を踏まえながら、簡単な集計結果を画面表示できるダッシュボードの開発を進めている。 また、レセプトデータの二次利用が盛んな海外の活用事例を検証する目的で台湾の衛生福利部(日本の厚生労働省に相当)を訪問し、同部でレセプト分析研究者向けに整備されているオンサイトセンター、および衛生福利部とレセプト研究に関して提携関係にある国立台湾大学を訪問し、利用者向けの情報提供やデータ提供の運用体制について情報収集を行った。また、医療情報学連合大会をはじめとして各種学会でNDBの利活用促進に関するシンポジウム、発表を実施し、成果の公表に努めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コード分類について「妥当性の検証」を行うために必要となるNDBデータを入手し、実際のNDBレセプトデータを用いた各種コード分類に関する検証を行う体制を整えることが出来、実際の検証を行うことができた。また、京都大学病院内の各種データを用いたバリデーションについても、対象となるデータ入手の目処が立っており、より精度の高いコード分類のバリデーションを実施する体制が整備できた。「分析ツールの開発」については、個々の研究者にNDBデータやレセプトデータに接した経験のある者が多く、集計結果を画面表示できるダッシュボードを開発において助言を得ているところである。 加えて、レセプトデータの研究向け利活用が盛んな海外事例の情報収集を2015年度の米国ResDAC訪問に続いて台湾の衛生福利部・国立台湾大学に対して行うことができ、利用者向けの情報提供やデータ提供にあたっての運用体制について情報を収集することができた。これらの成果は、医療情報学連合大会や公衆衛生学会総会等、各種学会でも積極的に公表することが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は本研究課題の最終年度となっており、主たる研究はこれまで研究を進めてきた、レセプトデータにおける新たなコード分類を用いた「分析ツールの開発」となる。主に重要な疾患、病態等を対象にコードを指定できるソフトウェアを開発し、利用者がNDBをはじめとするレセプトデータを簡便に使用できる環境の整備を目標とする。 また、これまでの研究で得られた知見から、レセプト研究環境の向上においては単にコード分類やレセプトデータの集計結果を閲覧できるダッシュボードを開発するのみならず、レセプトの根拠となる保険診療の仕組みや政策、レセプトデータの仕様そのものなどについても利用者が一定程度知悉していることが重要であることが確認出来た。こうした知見を踏まえて、利用者がレセプト全般について習熟できる環境を整備することについても研究を進めていくことを予定している。 これらの成果は引き続き各種学会で公表を進めるとともに、論文化して研究者に情報提供することにも注力する。
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