B細胞は抗体産生を介して、主に免疫活性に関与していると考えられていた。調節性サイトカインであるインターロイキン10 (IL-10)を分泌する事により、むしろ免疫抑制に働くB細胞群が2002年に同定され、現在では多くの疾患の抑制に寄与している事が明らかとなっている。本研究では、細胞表面マーカーよりB細胞と考えられていたこれらの細胞は、形質芽細胞であることを一連の遺伝子欠失マウスを用いて証明した。これらのIL-10産生形質芽細胞はIgAを選択的に産生し、健常では脾臓に存在するが大腸炎発症に伴い腸管膜リンパ節で増殖し、腸炎の抑制に寄与していることを同定した。
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