研究課題
心筋特異的mitoNEETノックアウト(mitoNEET-KO)マウスを作成し、mitoNEETによるミトコンドリア鉄代謝制御のメカニズム解析を行った。mitoNEET-KOマウスの心筋におけるミトコンドリア鉄量は野生型マウスに比べて増加しており、mitochondrial ferritinの上昇の増加を伴っていた。一方、鉄代謝関連因子であるNFRN2、FXN、ABCB7、ABCB8、TfRm、IRP1、IRP2の蛋白レベルは変化を認めなった。これらの所見からmitoNEETは既存の鉄代謝関連蛋白を介さずにミトコンドリア鉄代謝を制御している可能性が示唆された。また、mitoNEET-KOマウスは6か月齢においてミトコンドリアのクリステ構造の破壊、ミトコンドリアの膨化といった構造異常をきたしており、それに伴ってミトコンドリア呼吸能の低下を認めた。さらにmitoNEETと結合する新規蛋白としてMass spectrometryを用いた解析によりtransferrin receptorとadenin nucleotide translocator(ANT)を同定した。mitoNEETとこれらの蛋白の結合は免疫沈降法にてin vivoで確認された。mPTP開講阻害薬であるシクロスポリンAによりミトコンドリア鉄量が減少したことから、mitoNEETとANTが協調してミトコンドリア鉄量を制御している可能性が示唆された。また、野生型マウスでは加齢により心筋におけるmitoNEET発現量が低下し、ミトコンドリア鉄量が増加した。老化においてもmitoNEETによるミトコンドリア鉄制御が重要な役割を果たしている可能性が示唆された。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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