研究課題
デスミン心筋症のモデルマウスである低分子ストレスタンパク質α-βクリスタリン (CryAB) の点変異タンパク質CryAB (R120G) を心筋細胞特異的に発現させたトランスジェニックマウスTg-CryAB(R120G)マウスとTg-Beclin1(Tet-on)マウスを交配させて、テトラサイクリン投与によりBeclin1の活性を上昇させることでオートファジーが賦活化され、アグリソームが除去されて心機能が改善するかどうかについて検討した。具体的には、テトラサイクリン投与6週間後に血圧・脈拍・心機能評価を行い屠殺し、心筋の病理学的変化につき免疫染色法などを用いて検討した。心機能については心エコーにて経時的に観察し、最終的には観血的に左室内圧曲線を求めて、収縮・拡張機能を測定した。血漿BNP値など血中バイオマーカー測定による評価も行った。Beclin1を賦活化することでオートファジーを活性化することが不全心筋における蛋白品質管理を改善して心機能の改善につながるのではないかと想定し、そのような低分子化合物の取得を目指してBcl-xLのHis117の構造を模した化合物を東京医科歯科大学医療機能分子開発室の有する化合物ライブラリーから探索した。具体的には、Beclin1のBH3ドメインに結合しうるBcl-xLのHis117の構造を模した化合物を予測および収集したフォーカスライブラリーから、in silicoスクリーニングを経て、in vitroにおけるBeclin1のBH3ドメインに対する結合性について表面プラズモン共鳴法および3Hにより標識した低分子化合物を用いた結合アッセイにより検討し、候補となる分子を複数見出した。
2: おおむね順調に進展している
昨年度はやや遅れていたが、本年度はその遅れを取り戻して本研究応募時の申請書に記載した研究計画通り、順調に計画が進行している。
今後も本研究応募時の申請書に記載した研究計画に沿った研究を継続していく方針である。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (14件) (うち査読あり 14件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)
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