本研究では、心不全の発症および病状進展に深く関わっているオートファジーの機能不全はBeclin1の賦活化により改善させることが可能であることを踏まえて、Beclin1を活性化できる新規化合物による心不全治療法を確立することを目的とした研究を行った。Beclin1のBH3ドメインに結合しうるBcl-xLのHis117周囲の構造に類似した、Beclin1とBcl-2/xLのタンパク質間相互作用を標的とした阻害低分子化合物を複数見出したが、そのうちのひとつの低分子化合物Xが効果的にBeclin1とBcl-2/xLのタンパク質間相互作用を阻害しオートファジーを効果的に促進する作用があることを見出した。
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