研究課題
ジフテリア毒素の細胞内侵入メカニズムより着想を得た独創的・革新的送達技術であるHB-EGF抗体結合ベクターを用いて、薬剤・核酸(siRNA・microRNA)・ペプチドなどを疾患部位特異的(不安定プラーク)に送達する基盤技術を開発し、世界をリードする日本発の革新的な医薬品を創出する。また、本技術の開発により、アカデミアでの研究成果を素早く実用化することが可能になる。本技術は、再生医療を実現するための薬物・遺伝子デリバリーシステムとしても応用可能である。本研究は、特許戦略に基づいており、また、ヒトHB-EGF KIマウスなどの独自のマティリアルを用いており、世界の他のグループの追随を許さない。今年度は、急性冠症候群患者と非心臓死患者の剖検で得られた冠動脈サンプルを用いて不安定プラークにおけるHB-EGF発現増加を確認した。さらに、急性冠症候群患者の冠動脈サンプルの連続切片を作製し、HB-EGF、CD68(マクロファージ)、α‐SM(平滑筋細胞)で染色し、ヒト不安定プラークにおけるHB-EGF発現細胞を同定し、ヒト剖検例を用いた不安定プラーク部位でのHB-EGF発現細胞はマクロファージが中心であることを明らかにした。また、同部位では、小胞体発信アポトーシスシグナルであるC/EBP homologous protein(CHOP)の発現が増大していることを明らかにした。今後は、CHOPを標的としたsiRNAを結合したHB-EGF結合ベクターを用いた動脈硬化抑制効果を検討する。
2: おおむね順調に進展している
今年度は、急性冠症候群患者と非心臓死患者の剖検で得られた冠動脈サンプルを用いて不安定プラークにおけるHB-EGF発現増加を確認した。さらに、急性冠症候群患者の冠動脈サンプルの連続切片を作製し、HB-EGF、CD68(マクロファージ)、α‐SM(平滑筋細胞)で染色し、ヒト不安定プラークにおけるHB-EGF発現細胞を同定し、ヒト剖検例を用いた不安定プラーク部位でのHB-EGF発現細胞はマクロファージが中心であることを明らかにした。また、同部位では、小胞体発信アポトーシスシグナルであるC/EBP homologous protein(CHOP)の発現が増大していることを明らかにした
不安定プラーク部位では、小胞体発信アポトーシスシグナルであるC/EBP homologous protein(CHOP)の発現が増大していることを明らかにした。今後は、CHOPを標的としたsiRNAを結合したHB-EGF結合ベクターを用いた動脈硬化抑制効果を検討する。
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