研究課題
平成29年度では、自己免疫性肺胞蛋白症患者及び健常末梢血中に、自己抗体をB細胞受容体にもつB細胞が存在することを確認し、その細胞をソートし、抽出したRNAより、自己抗体可変部のcDNA配列データベースの作成を試みた。 10人の患者で、重鎖が450万read、軽鎖が15万readの粗配列データを得、質の低いreadをbioimformatic toolにより除去し、国際免疫グロブリン情報システム(IMGT/High V-QUEST)により、偽遺伝子を排除し、V、J領域のgermline 配列を推定し、かつJunction領域の配列をannotateした。非常に多くのPCR error による多様性について、全ての配列を1)使用しているV領域アリル 2)J領域アリル 3)Junction領域の塩基数 でクラスターに分類し、Hamming Distance法により、PCR errorによるvariationをまとめ、全シークエンスをクローンにまとめた。自己抗体クローンは、IgG型が100~400クローン、IgM型が50~600クローンあることが分かった。deep sequenceにより、得られたデータベースから判明したことは、【1】体細胞超変異により生じたvariationは高々0.6%であり、ほとんどのクローンが異なるNaive B細胞に由来することがわかった。【2】重鎖では、V領域のgerm line alleleのうち、 6 alleleが頻繁に用いられ J領域では、60%のクローンが J4 alleleを用いていた。つまり、VJ領域ともにusageは偏っていた。【3】IgG型クローンは、体細胞超変異率が平均7.8%と活発に変異していたが、IgM型クローンのそれは、平均0.5%と低く、ほとんどがNaive B細胞であることが示唆された。【4】健常者のcDNA配列データベースも上記1)~3)の特徴を有していることが分かった。
平成29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Immunological Methods
巻: 460 ページ: 1~9
10.1016/j.jim.2018.05.012
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