肺癌への個別化免疫療法を開発する目的で、患者特異的かつ癌細胞でのみ発現する新規癌抗原を探索した。まずは肺癌患者から末梢血単核球(正常細胞)と悪性胸水(癌細胞)を採取し、悪性胸水中の癌細胞で初代培養を行った。同一患者から採取した単核球と癌細胞由来のゲノムで、次世代シークエンサーを利用してエクソーム解析を行った。ある1名の肺癌患者から得られた正常細胞と癌細胞のゲノムデータを比較検討したところ、389カ所のIndelと6616カ所のSNPsからなる遺伝子変異が検出された。HLAモチーフ検索プログラムを用いて、癌細胞のみに発現する新規癌抗原の候補を複数個同定した。
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