研究課題
パーキンソン病(PD)は異常蛋白貯留に伴うLewy小体形成・進行性の神経細胞死を特徴とし、現在でも発症機序は解明されておらず治療法も対症療法に留まる。PDは超高齢化が進む我が国で患者人口が増大しており、根本的に症状進行抑制・予防を実現しうる薬剤開発が保健医療・介護福祉の点から重要視されている。本研究の目的は研究代表者らが既存薬ライブラリースクリーニングから既に同定済みのオートファジー促進作用を持つヒット化合物群(30以上)の中から、リソソーム核周囲集積によるオートファジー促進作用による異常蛋白分解促進作用/細胞死抑制作用を持つ化合物を同定し、in vivoモデル/iPS細胞由来モデルを用いて薬効薬理作用を評価・確認し、創薬シーズを決定し毒性試験・臨床応用に繋げることである。まず1次ヒット化合物群(30以上)をSH-SY5Y細胞に添加し、LysoTrackerにてリソソーム分布をモニタリングすることにより、リソソームを核周囲に集積させる化合物特定を試みたが、本作用をもつ化合物は同定できなかった。そのため、PD患者血漿にて特異的に変化する化合物から、上記のオートファジー誘導作用を持つ化合物を検討した。PD血漿ではポリアミン代謝が変化していることを確認し、その中でspermidineが既報告にもあるようにオートファジーを誘導した。その薬理作用として、リソソームが核周囲に集積すると共にmTORC1阻害作用を持つことを確認した。本化合物の薬理作用をマウスにて検証している。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Scientific Reports
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Neurology
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