研究課題
1.糖尿病性神経障害の分子機構の解明10~12週齢のCDKAL1欠損(KO)マウスおよび(WT)野生型マウスに高脂肪食を12および20週間自由摂食させた。高脂肪食を負荷したKOマウスは、耐糖能が低下していることを糖負荷試験で確認した。これらマウスを用いて、以下の項目について検討した。①KOマウスにおける神経栄養因子分泌量の検討・・・KOマウスとWTマウスの腰髄を摘出し、トータルRNAを精製した。BDNFのmRNA量について、定量PCR法にて検討した。KOマウスとWTマウスでは有意な差は認めなかった。一方、血清中のBDNF量について、ELISA法にて検討した。すると、KOマウスの血清ではBDNF量が低下してた。さらに高脂肪食を負荷したKOマウスでは、さらにBDNF量が低下した。② KOマウスにおける神経細胞変性についての検討・・・もしプロセシングされない神経栄養因子が神経内に蓄積すると、神経細胞死が誘導されることが推察される。そこでKOおよびWTマウスの腰髄を摘出し、薄切片を作製後、TUNEL染色を行った。高脂肪食負荷KOマウスでは、TUNEL陽性細胞が増加した。③ KOマウスの感覚神経機能の評価・・・WTとKOマウスの感覚神経機能を比較するため、ホットプレート試験を行った。KOマウスでは、温度感覚の鈍麻が認められた。またアセトンによる冷温覚試験でも、KOマウスでは感覚が鈍麻していた。一方、KOマウスの痛覚はWTと有意差は認められなかった。
2: おおむね順調に進展している
計画していた研究内容はすべて実施することができた。さらに、仮説どおりCdkal1欠損マウスでは神経感覚が鈍麻していることが示されたため。
申請書に記載しているとおりの研究計画を遂行する。
すべて 2016 2015 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)
Diabetologia
巻: 58 ページ: 745-748
10.1007/s00125-015-3508-9.
http://kumamoto-physiology.jp