研究課題/領域番号 |
15H04871
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
呉 繁夫 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10205221)
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研究分担者 |
冨永 悌二 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00217548)
田邉 修 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 教授 (70221398)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | もやもや病 / 頭部MRI / RNF213遺伝子 / 高頻度遺伝子変異 / 血清バイオマーカー / 発症リスク |
研究実績の概要 |
もやもや病は内頚動脈終末部狭窄と異常血管新生が特徴で、我が国の小児脳卒中の主因を成す。申請者らは、日本人の1.5%が持つRNF213遺伝子の創始者変異c.14576G>Aにより発症リスクが190倍上昇する事を見出した(J Hum Genet 2011)。c.14576G>A変異と関連する頭蓋内血管病変は多彩で、その全容と浸透率は未だ不明であり、各個人の発症前診断には至っていない。本研究では東北メディカル・メガバンク計画のコフォート内の創始者変異保有者の頭部MRI/MRA所見を包括的に解析し、変異保有者の頭蓋内血管病変スペクトラムと浸透率を解明し、発症予知に有用なMRI/MRA画像マーカーの同定を行なう。更に患者家族の血漿プロテオーム/メタボローム解析から発症前診断に有用なバイオマーカーを探索する。東北メディカル・メガバンク計画の成人コフォート登録者のうち、高解像度(3テスラ)MR装置を用いた頭部MRI/MRA検査が実施されており、既に3000名を越える撮像と分析が終了している。RNF213遺伝子のc.14576G>A変異の有無を検索し、変異保有者の脳血管病変を同定することにより、病変スペクトラムを解明し、更にその浸透率を明らかにする。平成28年度は、東北大学病院小児科および神経外科でフォローしているもやもや病50家系の血漿検体100検体を用いたメタボローム解析を東北メディカル・メガバンク機構のオミックス解析室で実施する。バイオマーカー同定が不調な場合、既に作成済みのRNF213ノックアウト・マウスの各週齢の血漿を用いたメタボローム/プロテオーム解析により分子を絞り込んだ後、患者家系に戻って同定を行なう。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
頭部MRI検査は順調に進んでいるが、MRI検査が終了したが遺伝子解析が終了していないコフォート参加者が存在するため、その遺伝子検査を進める。
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今後の研究の推進方策 |
東北大学病院小児科と神経外科、およびその関連病院である宮城県立こども病院脳神経外科でフォローしている、もやもや病家族の血漿検体を収集する。収集した血漿検体を用いたメタボローム解析を実施する。分析に使用するNMR分析装置は、Brucher BioSpin社製の高感度極低温3重共鳴プローブを備えた800MHz NMR装置を用い、もやもや病発症前診断に有用なバイオマーカー分子の特定と行なう。
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