研究実績の概要 |
難治性炎症性疾患患者の次世代シークエンサーを用いた既知遺伝子スクリーニングを14遺伝子にアップデートした(NLRP3, NLRP12, NOD2, MVK, TNFRSF1A, MEFV, IL1RN, NLRC4, HMOX1, PSMB8, PSTPIP1, PLCG2, CECR1, TNFAIP3)。以上にて変異を認めなかった症例に対してトリオベースの全エクソーム解析を行い、COPA、PCYT1A, MAFBに変異を認める症例を同定した。 CINCA症候群の疾患特異的iPS細胞を用いた軟骨分化系による骨幹端過形成モデルにおいて、フローサイトメトリーを用いたより安定した軟骨前駆細胞作成系に改善した。CINCA症候群のコホートのNLRP3変異陰性症例よりNLRC4遺伝子異常体細胞モザイク症例を全エクソーム解析にて同定した。さらに、iPS細胞からの単球系の分化細胞を用いた系により、同定した変異の疾患原性を遺伝子修復することにより証明した。 NLRC4異常症の機能解析系として、同定したTHP-1細胞における変異NLRC4遺伝子強制発現による細胞死誘導について解析をすすめ、CASPASE-1非依存性、Cathepsin B依存性であることを証明した。 メバロン酸キナーゼ欠損症の疾患特異的iPS細胞由来単球系分化細胞を用いた炎症病態再現が困難であった理由として、よりマクロファージに近い細胞に分化していることを示した。患者変異をノックインした遺伝子改変マウスをCRISPR/Cas9にて樹立した。 我々が同定したIFIH1変異によるAGSの動物モデルとして、IFIH1変異を有するBACトランスジェニックマウスを作成、Ⅰ型インターフェロン過剰産生が組織レベルで起こっていることを確認した。
|