研究課題
我々は、液体クロマトグラフィー質量分析法(LC-MS)を用いて川崎病、IgA血管炎患者特異的に出現する物質を患者血清中に同定した。 川崎病患者特異的物質はエルシニア菌や空中微生物由来の病原体関連分子パターン(PAMPs)と同一の物質であった。抽出法・解析法 の改良によりPAMPsと考えられる川崎病特異的物質を網羅的包括的LC-MSを行うことによりに川崎病特異物質を高感度、高特異度で検出可能となった。網羅的包括的LC-MSで冬4回、春1回、夏4回、秋1回、計10回独立に測定し、2回以上有意であった分子群を特定した。その分子群を富山、和歌山、東京、福岡で測定したところ不全型1例を除くすべてで検出した。また一部の川崎病特異物質と冠動脈病変との関連も見られた。Yersinia pseudotuberculosis感染が川崎病の発症に関与するのはごく一部であるが、一方Yersinia pseudotuberculosis 感染の約10%に川崎病を合併する。一部の特異物質はYersinia pseudotuberculosisバイオフィルム由来の分子とMS/MS解析で同一であり分子構造もほぼ同定された。その自然免疫受容体を探索し候補分子はあるもののまだ同定には至ってない。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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