研究課題
1)蛍光タンパクの決定-正常型および変異PLP1-EGFP の下流に更に赤色系の蛍光タンパクを直列につないだPLP1-tandem timerおよび 正常型PLP1および変異PLP1の下流にDsRED1を直列につないだPLP1-RED1 timerを作成した。ウエスタンブロッティング法; PLP1-tandem timerでは生成された多くの蛋白が分解を受けることが判明した。PLP1-RED1 timerでは、ウエスタンブロッティングでは、目的に相当する部位にシグナルが検出されたが、COSあるいはHEK細胞の一過性発現による検出では異常型がシグナル強度が検出限界であった。変異体および正常PLP1の蛋白寿命の変化を、蛍光変化としてMultilabel Plate Readersにて峻別できる構築をこの2種の構築で作成することは現在まで困難である。2)膜局在の定量化-以上と平行して正常型および変異PLP1-EGFPの膜局在を定量化することを試みた。まず正常型および変異PLP1-EGFPの安定発現株を作成し、核を染色し(N)、膜をdyeで赤色に染色し(M)、蛍光顕微鏡にて蛍光画像を96well formatで高速に所得した。細胞全体の蛍光強度をWCとしWCの細胞あたりの平均値とM/C(核以外の細胞質の蛍光強度をCとしC =WC-Nとして算出)した。その結果、WTと変異体A241Vでは WC; WT/A241V>5であった。また細胞局在では M/C wt>2, M/C A241V<1であった。3)化合物スクリーニング-上記のスクリーニング系のうち、局在定量化法を先行して行った。まず150種類からなる化合物ライブラリーでスクリーニングを行ったところWC; A241Vを上昇させ、M/C A241V<1⇒M/C A241V>1と膜移行を促進する化合物を6種類見出した。
2: おおむね順調に進展している
蛋白分解時間に依存した構築は感度が低く、スクリーニング系の構築ができていないが、平行して行った膜局在の定量化系を作成し、スクリーニングを開始することができた。
(1)系の最適化局在シグナルの定量化に成功し、スクリーニングを開始することができた。現在は蛋白構造にdrasticな変化をおこす重症型変異については、細胞あたりの蛍光強度および局在変化の2つのパラメーターにてスクリーニング可能なレベルの細胞株を複数得ている。今後解像度と分解能を上げ、軽症あるいは中等度の変異でも峻別可能な細胞株、色素を選定する。また細胞形態が経時的に変化するため、細胞回収>播種>薬物添加>解析のそれぞれの時間を最適化する。(2)系の汎用化エクソーム解析等の次世代解析により多くの遺伝性疾患で原因と考えられる遺伝子変異が同定されるようになってきている。その変異が与える蛋白レベル、あるいは細胞レベルでの影響を測定するために、あるいは治療薬の開発のため、この系が使用可能か否か、他の神経変性疾患の原因遺伝子についても検討を開始する。
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