研究課題
本年度は、マウス妊娠個体へのpoly(I:C)投与条件について複数の投与条件の検討を行い、仔マウス(生後一日目)前頭葉部位でのLINE-1ゲノムコピー数が最も増大する条件の検討を行った。その結果、妊娠マウスのステージとして、当初想定していたe9.5の時期より、より後期のステージでの化合物投与の方が安定したLINE-1ゲノムコピー数の増大が認められること、また、LINE-1ゲノムコピー数の増大はpoly(I:C)化合物の投与量に依存して上昇することを確認した。LINE-1ゲノムコピー数の確認実験は、生後一日目マウス前頭葉からゲノムDNAを抽出し、マウス完全長LINE-1配列の5'末端から3'末端まで多様な領域に設定したPCRプライマーを用い、qPCR法にて定量を行った。解析の結果、全てのプライマーセットで、コントロール群と比較し有意にLINE-1ゲノムコピー数の上昇が認められた条件を見出している。次に、仔マウス胎生期の神経前駆細胞でのLINE-1ゲノムコピー数上昇の分子メカニズムを明らかにするため、poly(I:C)化合物投与後の仔マウス脳部位から、神経前駆細胞マーカーを指標とし、神経前駆細胞の単離条件の確立を行った。神経前駆細胞マーカーを用いた磁気ビーズを用いて単離後、セルソーターおよび免疫染色法により、単離神経前駆細胞の品質を確認し、高純度の細胞が回収できる単離条件を確立した。
2: おおむね順調に進展している
当初計画通り、動物モデル作成の最適な条件の確立ができた。
次年度以降で、本条件下で作成・調整した神経前駆細胞での分子生物学的・細胞生物学的解析を行っていく。
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