研究課題
本年度は、妊娠マウスにpoly(I:C)化合物投与時の、胎仔神経前駆細胞におけるLINE-1転移活性に関連するエピジェネティックな修飾状態の解析を行った。確立した条件下でpoly(I:C)を妊娠マウスに投与後、e18.5のステージにおいて胎仔前頭葉を採取した。前頭葉からprominin-1陽性神経前駆細胞を磁気ビーズ法により単離した。単離した神経前駆細胞群から核ゲノムDNAの抽出を行いエピジェネティクス解析に使用した。ヒトでは転移活性を保有するLINE-1のサブファミリーはLINE-1Hsの1種のみであるが、マウスではMdA, MdGf, MdTfの3種類のサブファミリーが転移活性を保有する。この3種のLINE-1の5'UTRに存在するプロモーター領域について、パイロシークエンサーを用いたシトシン修飾状態を個別に定量する実験系の確立を行った。確立したパイロシークエンシングによるシトシン修飾状態解析法を用い、神経前駆細胞におけるLINE-1プロモーター領域のメチル化状態とハイドロキシメチル化状態の解析を同時に行ったところ、サブファミリー依存的な状態変化が認められた。興味深いことに、3種のうち、特に1種において、シトシンメチル化状態の低下とハイドロキシメチル化状態の上昇を同定した。一般的にハイドロキシメチルシトシンは転写活性化に伴う修飾であると考えられることから、この1種の転移活性の活性化がエピゲノム変化を介して選択的に生じている可能性が示唆された。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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