研究課題
高照度光には抗うつ作用があり気分障害の治療法として活用されている。近年我々は高照度光が恐怖条件づけ消去学習を促進する作用を持つことを、ヒトを対象とした基礎実験で確認した。恐怖条件づけ消去学習は、PTSDや一部の不安障害に対する曝露型認知行動療法の作用モデルであり、これらの疾患に対する曝露型認知行動療法の有効性増強効果を、ランダム化臨床試験にて検討することを目的とし本研究を計画した。PTSD・不安障害患者に対し、曝露型認知行動療法セッションを本研究費で雇用する1-2名の臨床心理士により行い、セッション施行中に8000ルクスの高照度光(対照は800ルクス)を2か所の光源(高照度光治療器)より短時間照射し、認知行動療法全セッション終了後およびさらにその3か月後の心理/臨床症状を評価するプロトコルにより研究を進めた。症状評価の主要評価項目は、共通心理/臨床症状指標を用い、疾患ごとの心理/臨床症状指標を副次評価項目として用いた。副次評価指標には脳画像データも用いた。前年度までの研究の遅れを取り戻すべく被検者(患者)の組み込みを進め、精力的にデータ採取を行った。新たに雇用した臨床心理士の教育も進み、複数の臨床心理士が並行して治療介入を行うことで、できる限り多くの患者データを採取するよう努めた。全被験者(患者)を対象として行われる認知行動療法を主体とした治療は、一定の臨床有効性を示しており、かつ有害事象の発生もなかったことから、研究の実効性・安全性が確実に担保された条件で研究を遂行することができた。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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