研究課題
THK-5351 PET画像所見の病的意義を検証する目的で、THK-5351 PET検査を生前に実施した3剖検例(アルツハイマー病1例、進行性核上性麻痺2例)において、生前の画像所見と死後の病理所見との対応を検討した。剖検にてアルツハイマー病の確定診断が得られた患者では、生前のTHK-5351 PET画像で側頭頭頂皮質におけるTHK-5351高集積を認めた。大脳皮質におけるTHK-5351局所集積量は、剖検脳で測定したPHF-tau濃度と正の相関を示した。THK-5351の集積は、タウ蛋白蓄積のみられない線条体においても観察されたことから、トレーサーのオフターゲット結合と判断された。その結合標的を確認するため、剖検脳を用いてオートラジオグラフィー実験を実施したところ、線条体におけるTHK-5351結合は過剰量のモノアミン酸化酵素(MAO-B)阻害剤によって完全に置換された。また剖検脳におけるTHK-5351局所集積量はMAO-B濃度およびGFAP濃度と正の相関を示したことから、THK-5351はMAO-Bへのオフターゲット結合を有し、その結合はMAO-Bが局在する反応性アストロサイトの存在を反映している可能性が考えられた。進行性核上性麻痺、進行性非流暢性失語と診断された2例の画像病理相関も検討した。これらの患者の剖検脳では進行性核上性麻痺に特有の4リピートタウの病理像が観察され、THK-5351集積量はタウ蛋白蓄積量、MAO-B濃度の両者と正の相関を示した。以上の結果からMAO-BはTHK-5351の主要な結合標的の一つであり、THK-5351集積所見はタウ病理像に共局在するアストログリオーシスを併せて反映していると判断された。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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