NY-ESO-1特異的なTCR遺伝子をsiTCRベクターで導入した後にベータ2ミクログロブリンに対するCRISPR-Cas9によってゲノム編集し、MHC class Iの発現を失った「ステルスT細胞」の作成に成功した。「ステルスT細胞」は抗原特異的にマルチファンクション性を示し、NY-ESO-1陽性ヒト腫瘍を接種した免疫不全NOGマウスに輸注すると腫瘍の成長が抑制され、「ステルスT細胞」は十分な抗腫瘍効果を維持していることが明らかとなった。以上より、非自己細胞を用いたがんに対するT細胞輸注療法の実用化の可能性が示された。
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