スーパーアパタイト(sCA)に内包したmiR-29b-1-5pは膵癌に対してもよく効いた。sCA はインテグリンの制御を通じて腫瘍部の間質圧を効果的に下げるので、単独で静注しても、抗癌剤やICGなどの光感受性物質を腫瘍に集積させることができた。sCA作成後にPEG化することで、ステルス効果によって肝臓の集積を減少させたり、血中の安定化から抗腫瘍効果の増強を期待したが、性能の向上はみられなかった。sCAの問題点であった肝臓への過集積を克服するために、素材から見直し、新たに完成したDDSはsCAの肝障害の問題をクリアし、核酸量も格段に低減させることに成功し、実用化への準備が整った。
|