研究課題/領域番号 |
15H04926
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
田邉 稔 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (50197513)
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研究分担者 |
工藤 篤 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (20376734)
落合 高徳 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, その他 (20447486)
田中 真二 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30253420)
伴 大輔 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (40376736)
藍原 有弘 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, その他 (90451939)
小野 宏晃 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, その他 (60466901)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 肝胆膵領域癌 / 肝細胞癌 / 膵癌 / 胆管癌 / 分子標的治療 / 合成致死性 / 神経内分泌腫瘍 / 希少癌 |
研究実績の概要 |
本研究では、難治性である肝胆膵領域癌に対してその臨床的背景及び分子的背景を解析し、新規治療開発を目的としている。当施設では2000年から655例の肝細胞癌、180例の膵臓癌、205例の胆道癌の切除標本を有している。治療標的として有望な分子に関してはそれぞれの手術標本を用いた発現解析、臨床病理学的因子との相関を解析し、標的分子としての臨床的有用性を探索している。さらに臨床応用を目的とし、新規分子標的阻害剤治療を開発することを本研究の目標としている。本年度は新たに、肝細胞癌30例、膵臓癌20例、胆道癌25例の手術標本を採取した。 さらには手術標本を用いて希少疾患である膵神経内分泌腫瘍に関した治療薬の臨床的有用性や、新規がん抑制遺伝子の基礎実験による機能解析や予後との関連性に関する報告なども行っている。 過去に我々はAurora kinaseと肝細胞癌の予後不良を示す規定因子としての報告や、Aurora kinase Bの阻害剤による前臨床試験レベルでの有効性をしめす報告をしてきた。これらを基軸に、細胞致死性を増強させる併用療法の開発を探索してきた。今後も同様のコンセプトを用いて、現在いくつかの標的分子を同定しており、各種実験を行い機能解析を行う。 原発性肝癌同所性モデルおよび膵癌同所性、転移性肝癌モデルを用いたin vivo解析も行っている。これらを用いて肝環境内などでの抗腫瘍効果の評価、薬力学的解析を行うことが可能である。標的分子バイオマーカー解析を行い、治療効果を組織学的に評価するとともに、標的分子のバイオマーカーを免疫組織学的染色により検出し、実際の標的分子阻害機序を確認していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
肝細胞癌、膵臓癌、胆道癌の各種切除標本採取、凍結標本作成、ならびにRNA抽出などすでに技術確立された手法で検体の採取は継続して行っている。いままで当教室で同定された標的遺伝子の機能的な解析や、マウスを用いた転移モデルや浸潤モデルなど臨床的なin vivo解析による治療薬としての有用性の探索や、新規分子マーカーとしての検討は各種基礎実験にて確認している。本年度は非ウイルス性肝癌における危険因子としてのFABP4遺伝子の有用性と、肝細胞癌におけるDEPDC不活化と悪性化への寄与ならびに予後との関連性を報告した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度も研究の方向性は変わらない方針である。すでに同定された新規標的分子の培養細胞レベルでのsiRNAやClisiper Cas9を用いたノックアウトによる機能抑制実験と、特異的阻害剤を用いた基礎実験を行っていく。細胞増殖アッセイや、遊走浸潤能を評価する機能アッセイ、また細胞周期解析など詳細な分子学的な解析手法を取り入れることで、詳細な機能評価と関連する作用機序の解明の探索も行っていく。これら基礎実験で得られたin vitroデータと、マウスを用いたin vivo実験により臨床応用を念頭においた可能性を探索していく予定である。 また手術切除標本の採取ならびに各種データの蓄積・管理は継続していく。 今後はゲノムワイドな解析手法をとりいれることで、手術切除標本から抗がん剤感受性など評価可能な実験系の構築を探求する。
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