研究課題/領域番号 |
15H04936
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
松宮 護郎 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (20314312)
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研究分担者 |
石田 敬一 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任准教授 (40375671)
上田 秀樹 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (50738987)
黄野 皓木 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (40375803)
松浦 馨 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (50436375)
田村 友作 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (60738988)
渡邉 倫子 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (20766274)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 心不全 / 心筋症 / リモデリング / 補助人工心臓 |
研究実績の概要 |
拡張型心筋症などに起因する高度低左心機能症例に対して、左室形成術、僧帽弁手術、心臓再同期療法、補助人工心臓などの外科的治療により心負荷軽減を行った場合に、有意の左室逆リモデリングが起こり心機能の改善を認める症例と心機能改善を認めない症例があり、その鑑別は現時点では困難である。 本研究では、心臓超音波検査で左室駆出率(LVEF)40%未満かつNYHA心機能分類ⅢあるいはⅣであることを重症心不全の定義とし、当院心臓血管外科にて手術を施行した重症心不全患者を対象とした。なお、虚血性心筋症やサルコイドーシス、アミロイドーシス、ミトコンドリア心筋症などの全身性疾患や蓄積疾患に伴う二次性心筋症の症例は除外した。適格性判断の後、患者より文書による同意取得の上、手術時に摘出される左室心筋の一部を採取、保存した。
昨年度より引き続き心機能低下例での手術とその後の定期的な心機能評価を行った。採取、保存した心筋サンプルよりRNAを抽出し、Ilumina社次世代シーケンサーであるHiSeq 1500を用いてRNA-sequenceを行った。左室逆リモデリングを認めた群とそうでない群ですべての遺伝子発現量を比較し、左室逆リモデリングと相関のある因子を網羅的に同定することを試みた。左室逆リモデリングを認めなかった群ではミトコンドリア電子伝達系複合体、およびp38MAP kinase関連蛋白をcodingするRNAのupregulationを認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度から今年度にかけて10例超のサンプルを採取することができた。保存した心筋サンプルよりRNAを抽出し, Ilumina社次世代シーケンサーであるHiSeq 1500を用いてRNA-sequenceを行い、左室逆リモデリングと相関のある因子を網羅的に同定することを試みた。現段階の症例数での解析では左室逆リモデリングを認めなかった群ではミトコンドリア電子伝達系複合体、およびp38MAP kinase関連蛋白をcodingするRNAのupregulationを認めた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度はさらにサンプルを蓄積し、RNA sequenceの解析データを蓄積する。その結果として、これまでに同定された候補遺伝子が心筋内でどのような変動をしめすか、さらに細かな心機能解析(拡張能など)や組織学的所見との相関を検討し、これらの分子の役割についてさらなる理解を深める。また、あらたな候補遺伝子が同定される可能性もあるので、これらも含めて心筋組織中の同定された因子の細胞内シグナル伝達経路の解析により、心機能低下や左室逆リモデリングに関わる機序を解明する。また、それらの因子の末梢血中での発現を検討し、より簡便に測定できるバイオマーカーとして利用可能かどうかを検討する。
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