研究課題
PAG および脱細胞ゼノグラフト血管を用いたヒトiPS細胞由来血管細胞組織化人工血管の作成実験の準備実験として、ヒトiPS細胞からの血管内皮細胞分化誘導法並びに血管壁細胞分化誘導法を用いて、高純度かつ多量の血管構成細胞を採取する方法を確立した。特に、NRP1/CXCR4陽性の動脈内皮細胞に特化した分化誘導法について確立することが出来た。これらの血管内皮細胞は継代培養により増やすことが容易であり、組織化人工血管作製のために十分な量を得ることが容易となった(論文準備中)。組織化人工血管の効果判定に使用する動物モデルとして、ラット腹部大動脈に塩化カルシウムおよびエラスターゼを投与することによる腹部大動脈瘤モデルを安定して作製する方法を確立した。このモデルは次年度以降、組織化人工血管置換などの実験により、人工血管強度などを評価することに使用しうる。
2: おおむね順調に進展している
本研究の最も基礎的な部分となる、動脈内皮細胞に特化したヒトiPS細胞由来血管内皮細胞の誘導法を確立することができた。ただし、PAGを用いたヒトiPS細胞由来組織化人工血管作製には至っていない。
前年度までに確立したヒトiPS細胞由来動脈内皮細胞分化誘導法を用いて、PAG および脱細胞ゼノグラフト血管を用いたヒトiPS細胞由来血管細胞組織化人工血管の作成実験を行う。誘導した細胞をポリエチレングリコール酸不織布のメッシュ(PGA)上に、様々の細胞割合、細胞数で播種し、培養条件も設定することで、PGAをscaffoldとした組織工学人工血管を作成し、移植時に本来の血管構造(血管内皮細胞一層、血管中膜としての多層の壁細胞層、血管外膜)に近づくよう最適な細胞割合、培養期間と方法を検討する。人工血管の強度評価に使用しうる動物モデル開発についても同時に行う。
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