研究課題
本研究の目的は、体細胞変異に由来する新生抗原(neoantigens)をターゲットとした肺癌個別化ワクチンの開発である。個々の患者に対するneoantigenワクチンを開発するためには、検体から抽出したDNA/RNAを用いた体細胞変異検出、MHC結合予測プログラムを用いたneoantigen候補への絞り込み、得られたペプチドが免疫原性を有するかの確認など、様々なステップが必要である。また、Neoantigenを標的とした癌ワクチンや抗PD-1抗体、あるいはその組み合わせによる複合的免疫治療の開発が急がれている中、最適な癌治療を行うためには、患者毎の癌免疫状態を明らかにすることが求められている。今年度は、RNAseqデータを用いた腫瘍浸潤リンパ球予測や免疫関連遺伝子の発現変動解析を行い、in silico で癌微小環境を統合的に評価する手法を開発した。これまでに開発を行ったneoantigenの絞り込みに加えて、癌免疫サイクル(Cancer-Immunity Cycle)に関連したgene set enrichment解析や免疫関連遺伝子に関する発現変動解析を行った。CD8、FOXP3等の免疫染色など、従来手法を用いた検証を行った。これら複数の解析結果をスコア化した後に統合し、レーダーチャートを用いて可視化を行い、腫瘍内免疫応答に関する多角的解析アルゴリズムを構築した。このような免疫プロファイリングをneoantigen予測アルゴリズムに組み込むことは、今後neoantigenを標的としたワクチン治療を実現するにあたり、より的確に患者選択を行う上で役立つと考えている。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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