研究課題
本研究の目的は、申請者らが基礎原理を開発し、現在、手術用治療器として産学連携体制で開発を進めているパルスジェットメスに微弱衝撃波を印加することで、従来の切開、剥離作用に加え、手術摘出腔周囲に薬剤を浸潤する機能を付加することである。微弱衝撃波の中枢神経系への影響を検討した後、非臨床(動物実験)で概念実証(proof of concept: POC)を確立することである。本研究期間内では、1、微弱衝撃波が中枢神経系に与える影響を動物生体~細胞レベルで電気生理学的、病理組織学的に明らかにする、2、微弱衝撃波印加下における中枢神経系(脳)の切開可能な機器を試作し、従来の血管温存下の組織切開に薬剤浸潤効果が付加できることを、動物実験による非臨床レベルで概念実証(POC)を確立することを到達目標とした。平成29年度は高速度撮影のための光学系を用いた可視化、および圧測定により工学的プロファイルを明らかにした過剰圧0.1 MPa以下の微弱衝撃波を伴うパルスジェットメスを発生するハンドピース型ジェネレーターを試作、動物実験(ブタ脳)で正常脳の灰白質、白質を切開し、射出液体内に色素を混入することで、組織深達度の評価を行った。その結果、組織学的に微量ジェットを繰り返し注入することで液体がmm単位で浸潤する可能性を明らかにした。また、組織学的にも明らかな血管の損傷は認められなかった。さらに衝撃波印加パルスジェットの発生条件(Hz、印加エネルギー)で組織深達度を最大化する条件を検討し、衝撃波印加パルスジェットメスで衝撃波による追加損傷を生じることなく、切除面から3 mm奥まで液体が浸潤可能、であることに関する概念実証に目途を付けることができた。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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